私と今日の世界 真沙美

MASAMI Twitter➡︎ @eyesmasami アメブロ➡︎ https://ameblo.jp/zarathu0310 大滝詠一さんと松田聖子さん・関取花さん・GLIM SPANKYが好きです。よろしくお願いいたします。

日本人の減少でエコになる日本の近未来 レジ袋削減では石油は減らない PART2

  拙文「レジ袋削減では石油は減らない」にコメントをいただきました。わたしの回答はそちらのほうのコメント欄にありますが、単独としても読めるものなので、一般的な一文に書き直したものを以下に掲載します。内容は、上記拙文とほぼおなじです。ーー

 

 

〈質問〉

「レジ袋削減では石油は減らない」を拝見しました。

  レジ袋の原料であるナフサを輸入しているとのことですが、レジ袋削減によってナフサの輸入が減るのであれば、レジ袋削減に意味があるのではないでしょうか。

  この点について御意見をお聞かせいただけませんでしょうか。

 

〈回答〉

  御質問とコメントを誠にありがとうございます。

  結論を先に申しますと、「レジ袋」の全削減によるナフサ減の“効果”は、日本の年間石油消費量に対して0.02%の削減、と仮定されます。

  これを、どのように考えるか、ということになるのではないでしょうか。

 

【1万個中2個のビー玉がなくなる意味とは?】

  本文では、「レジ袋」と「原油」の「輸入」について言及していますが、「ナフサ」そのものも「輸入」しています。

  原油精製による国内生産分だけでは国内需要をまかなえませんので、「ナフサ」の国内需要分(4575万㎘=2013年度)のうち例年約6割を輸入しております。

  本文にしたがって申しますと、日本の「レジ袋」年間消費枚数は約300億枚。それに費やされる石油は約39万㎘。ナフサの需要分に対する割合は0.8%になります。

  しかしながら、「レジ袋」300億枚のうち「輸入は“7割”、国産は3割」ですから、日本が「レジ袋」を作るために使用するナフサの量は、39万㎘×30%で11.7万㎘になります。年間のナフサ需要分に対する割合は0.25%。

  ナフサの「輸入」に関しましては、「レジ袋」を根絶しますと、数字的には、ナフサ輸入量2745万㎘(ナフサ総需要量4575万㎘×輸入60%)に対して、国産「レジ袋」のためのナフサ11.7万㎘のうちの何割かは、輸入する必要はなくなるかもしれません(11.7万㎘は、国内での原油精製によるナフサと輸入ナフサをあわせた量と考えています)。

  かりにそうだとしますと、ナフサの国内需要分のうち6割が輸入ですので、この数字にならいますなら、11.7万㎘×60%で、およそ7万㎘を輸入する必要がなくなると仮定されます。日本の年間石油消費量約2億6500万㎘(2013年度)に対する割合は0.02%。

 

  これは、1万個のビー玉が入った立方体にたとえますと、そこから2個のビー玉がなくなった、ということです。

 

「レジ袋」を全廃したとしましても、1万個中ビー玉2個の削減なのであります。

 

  この程度の減少をどう見るのか? 果たして意味があるのか?
「レジ袋」の40倍以上も「海洋ゴミ」になっているというペットボトルはほったらかしのままなのか?

 

  現実は、レジ袋を廃止ではなく、売りつづけているのですから、「ビー玉2個」分の削減には遠くおよばないでしょう。

  かりに「意味」があると考えたとしましても、ナフサの輸入先国が、日本への需要が減ったので他国におなじ量を輸出したり、石油の消費ペースが世界的におなじだったり増えたりしましたら、元も子もなくなります。環境運動が他国と連係しなければならないゆえんです。

 

  以上を回答といたしますが、以下、ちょっと付言いたします。


【日本人の減少でより「エコ」になる近未来】


  資源エネルギー庁によりますと、2030年度の石油需要は、2010年度に比して3割ほど減少するとのことです。2020年度からでは20%の減少になります。

 

  石油の中でもガソリンの落ちこみはさらに激しく、2010年度には5200万㎘もあった需要が、2030年度には60%減の2100万㎘にまで落ちこむと予想されています。2020年度の予想需要3600万㎘からでは40%の減少です。

 

  石油需要のこうした激しい下落は、次世代自動車の普及や車の燃費改善・少子高齢化などによるものです。

「レジ袋」全廃の想定される効果がナフサ7万㎘の削減ですから、何百倍もの石油“削減”ですね。


少子高齢化」が急激にすすむ結果、日本の人口は2017年の約1億2800万人から、2100年には約6000万人に減るのですから[注]、日本人が半減してゆく近未来の日本は、石油削減ではなく、日本人そのものの急減少によって、「エコ」なことを特別にやらなくても、十分により「エコ」な世界になっていくことでしょう。

 

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画像は、https://mobile.twitter.com/YS_GPCR/status/1284031182670192645さんからの孫引きです。

画像の出典は、https://mobile.twitter.com/TheLancet/status/1283167416839811082になります。

 

 

 

[注]

https://www.cnn.co.jp/fringe/35156792.html


〈参考資料〉

https://www.paj.gr.jp/about/data/sekiyunoQA.pdf

https://www.paj.gr.jp/statis/data/data/2018_data.pdf