政権とマスコミの結託が生む「議題設定」による「反韓国」
【政権のテーマを拡散するマスコミ】
議題設定(アジェンダ設定)とは、新聞やテレビなどの報道で言及される量(何ページとか何分とか)や報道回数によって、あるテーマの重要性が決まることを言います。
マス=メディアが「あるテーマ」を何回も何回も紙面や時間をさいて報道すれば、それが「重要」な「テーマ」になり、多くの受け手もそう思うようになる、ということです。
どちらかと言えば少数派の、政党への支持などがハッキリしている人たちはマスコミの影響を受けにくく、圧倒的大多数のそうではない人たちは左右されやすい傾向にありますので、「アジェンダ設定」は世論をコントロールするには重要な要素となります。
【操作される「無党派層」】
昔は「浮動層」と言われていた「無党派層」は、選挙のたびに各政党の政策などを判断して投票すると主張し、党派的な人を凝り固まった人と批判的に見る例がありますけれど、その“賢明な”「判断」は、新聞やテレビなどのマスコミの「宣伝」を受けてなされるのですから、皮肉なことに、政権の「アジェンダ」に「左右」された投票行動を取りがちになります。
“新聞を読んだり、テレビを見たりしてキチンと勉強して政党を選んだ”はずなのに、政党に失望したとか騙されたとか言う人が歴史的に絶えないのは、リテラシーの欠如などのほかに、「議題設定」を遂行する新聞やテレビで「キチンと勉強して」しまうからなのですね。
「浮動層」は選挙ごとに投票先を「左右」し、選挙結果をも「左右」しますから、「アジェンダ設定」をおこなう側にとっては、これほど「左右」しやすくて重要なターゲット層はほかにはないでしょう。真に賢明な判断があれば生まれるはずのないファシズムなどが生まれるゆえんのひとつです。
【マスコミ工作を怠りなく】
ある「議題」のマスコミの宣伝(報道)量や頻度が多ければ、それが「重要議題」になります。逆に申せば、不都合なことを宣伝(報道)しなければ「重要議題」にはなりません。
ですから、自民党がテレビ各局に「公平中立、公正を旨とする報道」を「お願い」する文書を送るなどのほかに、時の首相が、大手の新聞やテレビ・通信社などの重要人物と“定期的”に会食をして、マスコミとの“絆づくり”にいそしんでいるのです。
「大手の新聞やテレビ・通信社」の「調査」による内閣支持率が6割弱なのに、しっかりとした「“絆”」がない地方紙のそれは2割台、という矛盾の謎も、ここにひとつの原因があるのではないでしょうか。
【「反韓国」という“国是”】
目下の「議題設定」のひとつは「反韓国」でしょう。
外部にわざわざ「敵」を作ることによって、日本に不利益な米国との貿易交渉や内政の問題をごまかし、地政学的にはアメリカと中国・ロシアとの緩衝地帯でありつづけたい政権とマスコミの結託による「議題設定」の結果、マス=メディアに「左右されやすい」人などが「反韓」・「嫌韓」となり、「反韓国」の「世論」が醸成されてゆきます。
現在の「反韓国」の世情は、政権とマスコミの結託による「議題設定機能」の具現化・成功例なのです。
[追伸]
お読みいただき、誠にありがとうございました。
嬉しく感じております。
(^∇^)
〈お知らせ その1〉
「議題設定」に関しては、次の拙文もありますので、よろしければ、こちらも御高覧ください。
〈お知らせ その2〉