「小泉進次郎首相」という「議題設定」
【一様な各紙】
写真は、名もなき投資家さんのTwitter・2019年９月11日から引用［注1］。
2019年９月11日は「内閣改造」がおこなわれた日です。
当日の朝刊各紙は、小泉進次郎衆議院議員（自民党)が「環境相」になることを大きく報じました。
【千葉県の被災はそっちのけ】
『朝日』・『産経』・『毎日』・『讀賣』（五十音順)の４紙が第１面のトップニュースとして取りあげており、『東京』も第１面にしています。『東京』以外は、台風15号による千葉県の被災は“蚊帳の外”の扱いです。
「内閣改造」(内輪の役回し？)を「第１面」にするにしても、数いる閣僚の中で小泉さんを大きな見出しでおなじようにわざわざ取りあげるところに、小泉さんを「重要」な人物にしたい政権・勢力に統制された新聞各紙の忠誠ぶりがうかがえます。
つい先日は、小泉さんの結婚も大々的に報道されました。これも、小泉さんの「重要性」を高めるための「宣伝」です。
【「期待」の高さは「議題設定」の成果】
９月13日に発表された《共同通信社》の記事の題は、「小泉進次郎氏に『期待』74.0%」です［注2］。ーー
世論調査の記事の題に、小泉さんの名前だけが踊っています。この高い「期待」度は「議題設定」の成果です。
「議題設定」(アジェンダ設定)とは、新聞やテレビなどの報道で言及される量(何ページとか何分とか)や報道回数によって、あるテーマの重要性が決まることを言います。
マス=メディアが「あるテーマ」を何回も何回も紙面や時間をさいて報道すれば、それが「重要」な「テーマ」になり、多くの受け手もそう思うようになる、ということです［注3］。
先の「小泉進次郎氏に『期待』74.0%」という記事や題そのものも訴えかけ(アピール)になりますから、小泉さんの「重要度」を高める宣伝にほかなりません。
【世論調査は宣伝なのか】
《共同》の記事はかなり短い記事なのに、小泉さんを取りあげているところにその意図が見てとれます。
このことは、15日に発表された毎日新聞世論調査でも言えましょう［注4］。ーー
見出しには「進次郎氏起用『評価』６割超」とあり、《共同》と同様に「かなり短い記事なのに、小泉さんのことを取りあげてい」ます。
ほかのことは意図的に捨て去って、ごく短い本文や見出しに小泉さんを取りあげるこ記事の狙いは、小泉さんの「重要性」を高めることです。
【総理もダシに使う】
《日本経済新聞社》の世論調査のこれまた「ごく短い」記事も小泉さん称揚記事です。題はこうなっています［注5］。ーー
小泉さん以外にも、安倍晋三首相と石破茂衆議院議員の名前があるからと言って、安倍・石破両氏も持ちあげる記事ではありません。
両氏の名前を出すことによって、タイトルや記事を見た者に、小泉さんは、安倍さんや石破さんよりも「人気」があり、「重要」度が高くて「次の首相」にふさわしい人物だ、と思わせる記事です。
今後も、小泉さんを「首相」にする「議題」を、そうしたい勢力が遂行してゆきますから、奥さんが有名人ということも功をそうする小泉さんは、大衆に親しみをよりもってもらえるプライベートのこともあつかわれながら、新聞やテレビ・雑誌などのマスコミによく登場し、下にもおかない「お・も・て・な・し」をされてゆくことになるでしょう。
［注1］
https://mobile.twitter.com/value_investors/status/1171656541021384704
［注2］
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190913-00000085-spnannex-soci
［注3］
「議題設定」については、下記の拙文「政権とマスコミの結託による『議題設定』が生んだ『反韓国』」もよろしければ御高覧ください。
［注4］
https://mainichi.jp/articles/20190915/k00/00m/010/099000c.amp
［注5］
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO49760730S9A910C1PP8000
［追記］
『朝日新聞 DIGITAL』2019年９月17日配信の記事でも題は次のとおりです。ーー
https://www.asahi.com/amp/articles/ASM9J3T0LM9JUZPS003.html
〈お知らせ その１〉
〈お知らせ その２〉
